猫の去勢・避妊手術について
ネコは交尾排卵ですので、発情中に交尾すれば必ず妊娠します。メスの妊娠期間は2ヶ月ですので、健康であれば年に3〜4回の出産(オススメできませんが)可能です。
避妊手術していないオスとメスを飼うと1年で15匹、最初に産まれた子猫が成熟し出産したら更に15匹とネズミ算で増えていきます。多すぎる飼育は、猫のためにも人の生活を考えても良いことではありません。
発情すると野生に戻り鳴き叫び、物凄く臭いスプレーをあちこちに撒き散らすので、人は同じ部屋で過ごすことが出来なくなります。
人とネコが穏やかに暮らす為には、早めの去勢・避妊手術がオススメです。
●去勢手術について
去勢手術とは、オスの睾丸の摘出をすることです。
●避妊手術について
避妊手術とは、メスの卵巣と子宮を摘出することです。
■猫(メス)の発情期について
だいたい生後5-12ヶ月頃までに性的に成熟し、1年に3-4回訪れます。気温・日照時間に関係するので生活環境の整っている室内猫は周期が早まる傾向にあるようですが、生活環境の向上に伴い室外の猫も最近では周期が早まっているようで一年中子猫が保護されてきます。発情期間は通常1-2週間ですが、犬などと違い出血はありません。発情期には
・床や人に体をこすりつけてくねくねする
・お尻をあげる
・尿の回数が増える
・人間の赤ちゃんのような鳴き声を上げる
のような特徴的な行動があり、交尾できないことによりストレスで食欲不振や抜け毛がおきることもあります。
これらは交尾して受精が行われるまで続きます。
※ネコや交尾排卵しますので、発情中に交尾すれば必ず妊娠します。子供を望まない場合は絶対にオスネコと接触させてはいけません。
■猫(オス)の発情について
生後8ヶ月頃性的に成熟し交尾できるようになります。
発情期はなく発情したメスの匂いに促され発情します。
・メスにつられて大きな声をあげて無く
・逆立ちするように立った姿勢で強烈なにおいの尿を飛ばす(スプレー)。
・外に出たがる
というような特徴的な行動がみられます。
■■ネコの発情の特徴と不思議■■ メスは交尾の刺激により排卵し受精が成立しますから不特定多数のオスと交尾することにより、父猫の違う子猫が生まれることがあり、5匹子猫が生まれて5匹とも色が違う場合も時々あります。 妊娠中でも発情することがあることから、受精時期の異なる子猫を新たに妊娠することもあり後で受精してできた子猫は未熟児や死産の場合もあるほか、一定期間が経過後再び出産することもあります。 また、通常は子猫が完全離乳するまで発情はしませんが、子猫の数が少なかったり、早期離乳した場合は出産後1ヶ月ほどで発情することがあり、ノラ猫で離乳した子猫と一緒に母猫を診察すると既に妊娠していることもよくあります。 |
■一般的に言われている手術のメリット
オスの場合
・生殖器の病気予防
・性的なストレスの軽減
・スプレー行為などの問題行動の予防や改善
・喧嘩による外傷とそれに伴い感染する伝染病(猫エイズ、猫白血病など)への感染リスクの軽減
メスの場合
・子宮の病気や乳がんなどの予防
・性的なストレスの軽減
・発情中に伴う問題行動からの飼い主さんのストレス解消
オスメス共通
・望まない交尾を避けられる
・発情や問題行動による飼い主さんへのストレスが減少する
■一般的に言われている手術のデメリット
オスメス共通
・手術のリスク
安全な手術とはいえリスクがゼロではありません。また入院のストレスを感じる子もいます。
・手術後太りやすい傾向があるようです。太りすぎにより起こりやすい病気やトラブルも多いので、手術後食餌への十分な配慮が必要です。
・手術時は吸収糸を使用しますが、まれに使用した縫合糸に由来し体に炎症反応が起こる場合があります。
メスの場合
・後で子供を残したいと思っても妊娠出産できません。
■手術のスケジュール
●手術前日
午後10時以降はお食餌を与えないでください。
食べ残しをそのまま置いておかず、必ずさげてください。
人間の食べ物も手の届かないところに置いておきましょう。
お水は朝まで飲ませて大丈夫です。
●手術当日
お食餌は与えず、午前11時頃までにご来院ください。
万が一何か食べてしまった場合は必ずご連絡ください。
●持ち物
特に必要ありませんが、決まったお食事がある場合は、一回分ずつ袋などに小分けしてお持ちください。
●お迎え
・オス 手術当日から翌日(日帰り~1泊2日)
・メス 手術日の翌日(1泊2日)
術後の経緯により退院日の変更がありますので、退院予定日の朝にご連絡ください。退院日についてはご家庭の事情によりご相談に応じます。ただし退院日を早めても料金は変わりません。
またお薬を家であげることができない子に関しては入院の延長もあります。
●面会
診察時間内でしたらいつでも結構です。ただし、施術当日は安静にさせたいのでご遠慮ください。
■退院後の生活
・抜糸やエリザベスカラーはしなくても良い縫合ですが、場合によってすることもあります。獣医師の指示に従って下さい。
・エリザベスカラーをつけたまま絶対に外出させないでください。
・抗生物質は必ず与えてください。
・傷を気にして舐めこわしたり、食欲がいつまでも無く、元気がない等ご心配なことがありましたらご連絡ください。